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※このサイトは 株式会社マルイチ産商をスポンサーとして、
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ニュースで「漁師が減っている」という話題を見聞きする機会が増えました。ただ、この問題の本質は「魚が獲れなくなる」ことだけではありません。担い手が減ることは、産地の供給力と価格交渉力を同時に削り、流通の仕組みそのものを揺るがす構造的な変化です。

一方で、この変化を前提に産地の側へ踏み込んでいく企業もあります。海のない長野県から創業し、いまでは水産物の取扱量が国内トップクラスに達した水産卸・マルイチ産商です。本記事では漁業就業者の減少の実態を数字で整理したうえで、同社が産地を買い支えるために実際に何をしているのかを6つの角度から紹介します。

漁師(漁業就業者)は
どれだけ減っているのか

日本の漁業就業者数は一貫して減少を続けています。水産庁の資料によると、令和6(2024)年の漁業就業者数は11.5万人、平均年齢は56.9歳。10年前の水準から3割以上減り、平均年齢は60歳目前まで上がっています。

さらに深刻なのは将来推計です。現在の担い手の多くが高齢者であるため、その退職に伴って減少は続き、令和32(2050)年頃には約7万人まで減ると想定されています。つまり、今後25年でさらに4割近く減る前提で産地と流通を設計しなければならない、ということです。

参照元:水産庁公式HP【PDF】「水産をめぐる事情について」(令和7年10月)(https://www.jfa.maff.go.jp/j/policy/kihon_keikaku/attach/pdf/index-33.pdf)

なぜ漁師は減るのか

減少の背景は単一ではありません。漁獲量が読めないため収入が安定しにくいこと、早朝からの操業をはじめ労働負荷が高いこと、そして経営体の後継者が確保できないことが重なっています。

加えて、人が減ると残った人の負担が増えるという悪循環があります。海上での操業だけでなく、販路の確保、設備の維持、事務手続きといった業務全般が少人数にのしかかる。負担が増えるのに収益は上がりにくい環境では、新たな担い手を呼び込むことも容易ではありません。

参照元:水産庁公式HP「(3)漁業の就業者をめぐる動向」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r05_h/trend/1/t1_2_3.html)

供給力の低下は
価格交渉力の低下に直結する

産地にとって、安定した出荷量を約束できるかどうかは収益を左右する要素です。一定量を継続して出せる産地は取引先と対等に条件を詰められますが、量が読めない産地は買い手の言い値に近づいていきます。

漁業就業者の減少は、日々の水揚げ量を不安定にし、結果として産地が価格を主導できない立場へと押し出します。担い手不足が単なる労働力の問題にとどまらず、産地そのものの基盤を弱める構造的な問題だと言われるのはこのためです。

従来の分業型流通では
受け止めきれない

これまでの水産流通は分業型が基本でした。漁師から産地卸売市場(水揚げされた港にある市場)、消費地卸売市場(豊洲市場のように、大都市で小売店や飲食店に魚を供給する市場)、仲卸業者を経て小売店や外食産業へ。各事業者が専門的な役割を担うことで、大量の魚を効率よくさばく仕組みとして機能してきました。

ところが産地の供給力が落ち、水揚げが小ロット化・不安定化すると、この仕組みは噛み合わなくなります。市場に出荷しても量がまとまらなければ買い手がつきにくく、売れ残りや価格の乱高下が起きやすくなる。「市場に出せば誰かが買ってくれる」という前提が成り立ちにくくなっているのが現状です。

実際、この消費地卸売市場を経由する水産物の割合は低下傾向にあり、産地直送や直接取引といった市場外流通の比重が高まっています。従来の経路だけでは、獲れた魚を確実に売り切る力が足りなくなってきているということです。

参照元:水産庁公式HP「(8)水産物の流通・加工をめぐる動向」(https://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/r05_h/trend/1/t1_2_8.html)

海のない県から産地を支える
マルイチ産商の取り組み

こうした状況に対して、流通の側から産地に踏み込んでいる企業があります。長野県に本社を置く水産卸のマルイチ産商です。

同社が水産物の卸売を始めたのは1951年、四方を山に囲まれ、新鮮な魚を求めることが困難だった長野市でのことでした。海のない県で鮮魚を扱うということは、産地との関係がなければ商売が成り立たないということです。全国各地の漁協と連携した調達ネットワークを築き、いまでは海なし県の企業でありながら鮮魚の集荷力は国内トップクラスにあります。

だからこそ、産地の担い手が減ることは同社にとって他人事ではありません。売り先という出口を自ら設計し、産地が出すものを引き受けきる——そのための取り組みは、大きく次の6つです。

  • ① 船が獲ったものを丸ごと買う「フルアソート調達」と「一船買い」
  • ② 売れにくい魚を、グループの加工機能で商品に変える
  • ③ 「獲る」から「育てる」へ——ダイニチとの一体化
  • ④ 需給をアプリでつなぐ「鮮魚デジタル市場」構想
  • ⑤ AIに作業を渡し、人は目利きと交渉に向かう
  • ⑥ 産地に人を置く——長崎駐在という働き方

それぞれ、順に見ていきます。

参照元:株式会社マルイチ産商 有価証券報告書(第76期)(https://www.maruichi.com/ir/)
参照元:マルイチ産商 採用情報(https://maruichi-recruit.snar.jp/index.aspx)

①船が獲ったものを丸ごと買う
「フルアソート調達」と「一船買い」

従来の買付けは、店頭販売に向く「良型」を中心に選び抜く発想でした。しかしこれでは、選ばれなかったサイズが産地に残ります。小型魚が値崩れすれば、その分は漁業者の収益から差し引かれます。

マルイチ産商が進める「フルアソート調達」は、この発想を逆にしたものです。サンマを例にとると、従来は店頭向けの大きめサイズを中心に買っていたところを、加工製品向け・養殖魚の飼料向けとなる小型サイズまで全サイズを一括で買い付ける。飼料会社、缶詰メーカー、加工業者と連携し、サイズごとに最適な出口へ振り分けます。魚種はサンマに加え、アジ・イワシ・サバへと拡大中です。

この考え方をさらに踏み込ませたのが「一船買い」です。同社は愛媛県宇和島市のグループ会社を通じて、近海巻網船が九州・対馬沖で漁獲したサバなど多様な魚を宇和島漁港で丸ごと引き取る取り組みを開始。良型は四国のスーパー向け、小型魚は養殖魚の餌へと用途を分けることで、船が獲ってきたものを選別せずに買い支える形をつくっています。

②売れにくい魚を、グループの
加工機能で商品に変える

未利用魚とは、魚そのものに価値がないのではなく、流通の過程で評価されにくい魚を指します。サイズが不揃い、ロットがまとまらない、知名度が低く調理法が知られていない、骨が多く下処理に手間がかかる——理由はさまざまです。放置すれば廃棄されるか、極端な低価格で取引されます。

これを商品に変える鍵は、加工による用途転換です。すり身、フライ、冷凍惣菜といった形にすれば需要が見つかります。ここでマルイチ産商が持つのが、グループ内の加工機能です。缶詰メーカーの信田缶詰では自社グループが調達した水産原料を使った商品開発を進めており、鮮魚として売りにくい魚に別の出口を用意できます。

同社はさらに、卸売業でありながら原料調達から加工までの全工程に関与する「メーカー型卸」を事業モデルとして掲げています。自ら仕入れた魚を協力メーカーと企画・開発し、商品として世に出す。小ロットで不安定な水揚げでも確実に売り切れる仕組みは、加工機能と販売網の両方を自前で持っているからこそ組み立てられます。

参照元:三菱総合研究所公式HP(https://www.mri.co.jp/knowledge/column/20230124.html)
参照元:マルイチ産商 採用情報 水産営業職(https://maruichi-recruit.snar.jp/jobboard/detail.aspx?id=RTiAeT2KbSU)

③「獲る」から「育てる」へ
——ダイニチとの一体化

天然魚の水揚げが読めないなら、計画的に生産できる養殖魚の比重を高めるという選択肢があります。マルイチ産商はこの領域に大型投資を行いました。2024年11月、飼料の製造から養殖・加工・販売までを一貫して手がけるダイニチ(愛媛県宇和島市)を完全子会社化し、集荷・販売を担ってきた卸売業が生産分野そのものに踏み込んだ形です。

産地にとっては、買い手が生産の当事者になるということでもあります。獲れ高に左右されない供給源を自社グループ内に持つことで、天然魚の相場が荒れた局面でも産地との取引を続けやすくなる。養殖への投資は、産地を買い支える体力そのものを厚くする施策でもあります。

④需給をアプリでつなぐ
「鮮魚デジタル市場」構想

従来の水産流通では、魚を売りたい人と買いたい人の情報が事業者ごとに閉じており、大きな市場に魚が集まる一方で地方の需要には届きにくい構造がありました。小ロットの水揚げを売り切るには、この情報の分断を解く必要があります。

マルイチ産商は2026年2月27日の取締役会で、水産流通のDXを手がけるウーオ(広島市)への出資を決定しました。ウーオはスマートフォンで水産物を売買できるオンライン魚市場「UUUO」と、水産卸の入荷案内・受注業務を支援するアプリ「atohama」を開発・運営する企業です。水産物流通における情報連携や業務効率化の可能性を検討し、サプライチェーンの新たな仕組みの開発を協議していくとしています。

この出資は単発の施策ではありません。同社が2026年度から始動させた「中期経営計画2030」では、5つの成長戦略の第一に「流通システムの高度化」を掲げ、アプリを活用した鮮魚デジタル市場の構築を目指すとしています。産地の情報を可視化して需要とつなぐことは、担い手が減る時代に「売り切る力」を維持するための基盤づくりだと言えます。

⑤AIに作業を渡し、
人は目利きと交渉に向かう

担い手が減る問題は、産地だけでなく流通の現場でも起きています。入荷した魚の数量を人手で数え、伝票を突き合わせ、FAXで届いた発注書を基幹システムに転記する——こうした作業に時間を取られるほど、相場を読んだり産地と交渉したりする本来の仕事に割ける時間は減っていきます。

マルイチ産商は2024年、この課題に取り組むスタートアップのAUDER(横浜市)へ出資しました。AUDERが提供するのは、スマートフォンのAI画像認識で入出荷検品を一括処理するプラットフォームです。バーコードや2次元コードをまとめて読み取ることで、検品工数を従来比で約6割削減。さらにAI-OCRでFAXの発注書や送り状を電子化し、伝票の手入力そのものをなくす機能も備えています。

同社は2024年11月、ALL STAR SAAS FUNDや水産流通などとともにAUDERの資金調達を引き受けており、単なる出資にとどまらない関与を進めています。AIに任せられる作業をAIに渡し、人は目利きと交渉という判断業務に集中する——これが、人手が限られる時代に流通の機能を維持するための考え方です。

⑥産地に人を置く
——長崎駐在という働き方

ここまでは仕組みと投資の話でした。しかし産地の状況を正確につかめるかどうかは、最後は人が現場にいるかどうかで決まります。

マルイチ産商の水産営業は、東京や長野の拠点に座って発注をかけるだけの仕事ではありません。たとえば塩干品を担当する社員は、東京を拠点としながら原料を買い付けるために長崎に駐在し、製品づくりのために加工場へ足を運び、できた製品を得意先に販売するまでを一貫して担っています。産地・加工場・売り場を自分の足で行き来する働き方です。

担い手が減る産地にとって、買い手が現場に来るかどうかは大きな違いを生みます。相場だけを見て買い叩く相手なのか、生育や漁の状況を理解した上で条件を詰める相手なのか。人が現場にいることが、継続的な取引の前提になります。職種別専門研修に産地視察が組み込まれているのも、この考え方の延長にあります。

そしてこのネットワークの広さが、産地の受け皿にもなります。同社は全国の漁協・漁港と取引を持つため、たとえば北海道の漁港で仕入れが難しい局面でも、別の漁港で確保できる。どこかが不漁でも供給を止めない体制は、取引先からの安定した依頼につながり、その依頼が産地への継続的な発注として戻っていきます。

参照元:マルイチ産商 採用情報 水産営業職(https://maruichi-recruit.snar.jp/jobboard/detail.aspx?id=RTiAeT2KbSU)
参照元:マルイチ産商 新卒採用サイト「マルイチを知る」(https://www.maruichi.com/recruit/shinsotsu/about/know.html)

組織を一つにして
販売力を最大化する

これらの打ち手はいずれも、産地が出すものを引き受けきる「出口」の広さに支えられています。その出口を太くするために、同社はグループの組織そのものにも手を入れました。

2026年4月1日、100%子会社であった丸水長野県水を吸収合併し、予定していたグループ内組織再編を完了。経営資源を集約して販売力と生産性を高める動きです。多様な魚種・サイズを余さず売り切る競争力は、販売網の規模と機能の集約によって生まれます。

その根底には、同社が刷新した経営理念があります。「互助創豊(ごじょそうほう)」「闊達共成(かったつきょうせい)」を掲げ、新たなミッションステートメントの第一項には「私たちは、地域、産地、人に真摯に向き合い、信頼を築きます」と記されています。産地を買い支えるという行動は、この理念を事業として形にしたものだと言えるでしょう。

参照元:株式会社マルイチ産商 有価証券報告書(第76期)(https://www.maruichi.com/ir/)
参照元:マルイチ産商公式HP「中期経営計画」(https://www.maruichi.com/ir/management_policy/management_plan/)
獲れた魚を、余さず売り切る。
それが産地を支える力になる。

漁業就業者は2024年に11.5万人まで減り、平均年齢は56.9歳。2050年頃には約7万人まで減ると見込まれています。この変化は産地の供給力と価格交渉力を削り、従来の分業型流通では小ロット・不安定な水揚げを受け止めきれない状況を生んでいます。

だからこそ、流通の側が担う役割は大きくなっています。全サイズを引き取るフルアソート調達と一船買い、未利用魚の商品化、養殖生産への投資、アプリとAIを軸にした流通のデジタル化、そして産地に人を置くこと。マルイチ産商が進めるこれらの施策は、いずれも「獲れたものを余さず売り切ることで、産地の収益を安定させる」という一点に向かっています。

課題が山積している業界は、裏を返せば打つ手が残っている業界でもあります。産地と食卓のあいだに立ち、この仕組みを動かしていくのが水産営業という仕事です。

マルイチ産商では、未経験からでも水産のプロとして活躍できる環境が整っています。まずは仕事内容や先輩社員のリアルな声をチェックしてみてください。